【オランダ戦】中村敬斗の股抜き弾と鎌田大地を世界が絶賛!森保采配と海外の反応
2026 FIFAワールドカップ グループF第1節、日本代表は格上オランダと壮絶な打ち合いを演じ、2-2のドローで勝点1を持ち帰った。前半をスコアレスで終えた日本は、後半に2度のビハインドを負いながらも土壇場で追いつき、勝利目前だったオランダから貴重な勝点をもぎ取った。実はこの結果、オランダにとっては「W杯で2度リードを奪いながら勝利を逃した」史上初の出来事でもある。スコア以上の情報量を持つこの試合を、得点経過・采配・選手評価・世界の反応まで徹底的に掘り下げる。
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同点弾の舞台裏 ― 中村敬斗、そして鎌田大地のゴール
オランダの先制点は51分。セットプレーのこぼれ球を拾ったフラーフェンベルフが右サイドからクロスを供給し、キャプテンのファン・ダイクが高さを生かしてヘディングで叩き込んだ。
だが日本はわずか6分後の57分に反撃する。左サイド深い位置で起点を作った久保建英が、ペナルティエリア手前へマイナスのパス。これを受けた中村敬斗は下がりながらボールを収め、密集する守備陣の中でDFファン・ヘッケの股を抜く強烈な右足シュートを放った。ボールはわずかにディフレクションしながらGKフェルブルッヘンのニアサイドを撃ち抜き、同点に。
「インバーテッド・ウイング」が生んだ一撃
アメリカの『FOX Sports』はこのゴールを、日本の戦術的な強みを象徴するシーンと分析している。日本は両ワイドに「逆足選手」を配置する“インバーテッド・ウイング”を採用しており、右利きの中村が左サイドから中央へカットインしてくる動きは、オランダの守備陣にとって読みづらい脅威だったという。利き足と高精度のシュートが噛み合った、まさに戦術がそのまま結果になったゴールだった。
その後64分にサマーフィルのカットインシュートで再びオランダがリードを奪うが、日本は終盤に畳み掛ける。89分、伊東純也の正確な右コーナーキックに、途中出場の小川航基が高い打点で競り合いヘディング。ファン・ダイクと競り勝ったこのこぼれ球が、ゴール前にいた鎌田大地の頭に当たって軌道を変え、土壇場の同点ゴールとなった。
采配対決 ― 森保の「3-1-4-2」とクーマンの誤算
前半、日本は基本布陣「3-4-2-1」でミドルブロックを敷き、ボール保持率7割近いオランダの攻撃を耐え抜いた。前田大然のプレスで右SBダンフリースを押し下げ、堂安律と久保建英で左のガクポにダブルマークを敷くなど、相手のストロングポイントを的確に封じてスコアレスで折り返した。
後半に1-2とビハインドを負った森保一監督は、66分に伊東純也を投入して右サイドの機動力を引き上げると、75分には堂安・久保・渡辺を下げて菅原・小川・冨安を一気に投入する大胆な3枚替えを実行。布陣を「3-1-4-2」に変更し、前線に上田綺世と小川航基のツインタワーを並べる超攻撃的システムへ移行した。
この采配が的中する決定的な要因となったのが、81分のオランダ側の交代だ。クーマン監督は中盤を支配していたフラーフェンベルフを下げ、DFナタン・アケを投入して「5-4-1」の守備固めに入った。しかしこれにより前線からのプレスが極端に後退し、日本はミドルサードで自由にボールを持てるようになる。押し込まれたオランダは自陣に撤退し、結果としてセットプレーの機会が増加。その流れの中で生まれたのが89分のコーナーキックであり、鎌田の同点ゴールへと直結した。
鎌田大地、世界が絶賛した理由
この試合で世界的に最も高い評価を集めたのが鎌田大地だ。スペインの大手紙『アス』『マルカ』は両チームを通じて単独最高の「星二つ(4段階評価)」を鎌田に与えた。一方、デ・ヨングやラインデルスといったオランダの主力MFには「星ゼロ」という対照的な評価が下されている。
イギリスの『ガーディアン』も10点満点で「7」を付け、次のように評している。
― The Guardian
データサイトでも『Goal.com』が日本代表内で単独最高の7.4、『FotMob』では中村敬斗と並ぶチームトップの8.1(両チーム通算でもフラーフェンベルフの8.4に次ぐ2位)を記録した。
評価のポイントは、佐野海舟とのダブルボランチでオランダの強力な中盤を封じたポジショニング、低い位置からの長短のパスで前線のポジショニングを最適化したゲームコントロール、そして相手のカウンターリスクを考慮してグラウンダーではなくロブパスを選ぶ「老獪さ」にある。前半44分には上田綺世への完璧なスルーパスも記録した。
― ミケル・エチャリ氏(レアル・ソシエダ元スポーツディレクター)
選手採点徹底比較(Goal.com × FotMob)
日本代表
| 選手名 | ポジション | Goal.com | FotMob |
|---|---|---|---|
| 鈴木彩艶 | GK | 6.7 | 6.7 |
| 谷口彰悟 | DF | 6.5 | 6.7 |
| 渡辺剛▼75′ | DF | 6.0 | 6.6 |
| 伊藤洋輝 | DF | 6.1 | 5.8 |
| 堂安律▼75′ | MF | 6.1 | 6.4 |
| 佐野海舟 | MF | 6.5 | 6.2 |
| 鎌田大地 | MF | 7.4 | 8.1 |
| 中村敬斗 | MF | 7.3 | 8.1 |
| 久保建英▼75′ | MF | 6.6 | 7.2 |
| 前田大然▼66′ | MF | 6.2 | 6.0 |
| 上田綺世▼84′ | FW | 6.3 | 6.5 |
| 伊東純也▲66′ | MF | 6.8 | 6.7 |
| 小川航基▲75′ | FW | 6.8 | 6.8 |
| 菅原由勢▲75′ | DF | 6.4 | 6.5 |
| 冨安健洋▲75′ | DF | 6.3 | 6.4 |
| 塩貝健人▲84′ | FW | 6.3 | ― |
オランダ代表
| 選手名 | ポジション | Goal.com | FotMob |
|---|---|---|---|
| バルト・フェルブルッヘン | GK | 6.2 | 5.8 |
| デンゼル・ダンフリース | DF | 6.3 | 6.7 |
| ヤン・ポール・ファン・ヘッケ | DF | 6.3 | 7.3 |
| フィルジル・ファン・ダイク | DF | 7.2 | 7.9 |
| ミッキー・ファン・デ・フェン | DF | 6.0 | 6.6 |
| ライアン・フラーフェンベルフ▼81′ | MF | 7.8 | 8.4 |
| フレンキー・デ・ヨング | MF | 6.6 | 7.9 |
| タイアニ・ラインデルス▼70′ | MF | 7.0 | 6.8 |
| クリセンシオ・サマーフィル▼70′ | FW | 7.5 | 7.8 |
| コーディ・ガクポ▼84′ | FW | 7.0 | 7.2 |
| ドニエル・マレン▼70′ | FW | 6.9 | 6.8 |
| メンフィス・デパイ▲70′ | FW | 5.5 | 6.1 |
| トゥーン・コープマイネルス▲70′ | MF | 5.8 | 6.1 |
| クインテン・ティンバー▲70′ | MF | 5.8 | 6.5 |
| ブライアン・ブロビー▲84′ | FW | 5.8 | ― |
| ナタン・アケ▲81′ | DF | 5.7 | ― |
両メディアとも、日本側は得点を記録した鎌田大地・中村敬斗を最高評価とする一方、オランダ側は2アシストで中盤を支配したフラーフェンベルフを筆頭に、得点したサマーフィル・ファン・ダイクが高評価という結果になった。
世界が見た「劇的ドロー」
この試合は国内外に大きな反響を呼んだ。NHK解説の本田圭佑氏は「11番(ガクポ)ウザい」など独特の表現で中継を盛り上げ、田中マルクス闘莉王氏は「引退した僕でも入れられた」という愛のある厳しい指摘で、ブラジル人記者から「日本の解説者はあまり批判をしない中で素晴らしい」と評された。
― FOX Sports(アメリカ)
― イギリスメディア
― 韓国メディア
クーマン采配はなぜ「失策」と呼ばれたのか
オランダ国内では、81分にフラーフェンベルフを下げてアケを投入した采配が「重大な戦術的エラー」「勝利をドブに捨てた失策」として厳しく批判されている。リードしている状況で守備的な「5-4-1」へ移行した結果、前線からのプレスが消失。日本にミドルサードでのボール保持を許し、自陣に撤退せざるを得なくなったことでセットプレーの機会を自ら増やしてしまった。
クーマン監督自身は「サイドからのプレッシャーが全くなくなっていたのでアケを投入した」「これは監督が下した決断だ」と説明しているが、結果的に守備の人数を増やしたことがセットプレー対応の脆さを覆い隠せず、89分の同点弾を許す形となった。
グループFの現状と次戦チュニジア戦の展望
| 順位 | チーム | 勝点 | 得失点差 |
|---|---|---|---|
| 1 | スウェーデン | 3 | +4 |
| 2 | 日本 | 1 | 0 |
| 3 | オランダ | 1 | 0 |
| 4 | チュニジア | 0 | -4 |
日本はオランダと同スコアの引き分けながら、警告数の差(フェアプレーポイント)で暫定2位につけている。すでにスウェーデンが初戦で+4の得失点差を作っているため、グループF突破確率の分析でも触れた通り、6月21日のチュニジア戦では「勝点3」はもちろん「得失点差の最大化」が求められる。チュニジアは初戦のスウェーデン戦(1-5)、直前の親善試合ベルギー戦(0-5)と、前線からのハイプレスを受けるとディフェンスラインが乱れる脆弱性を露呈しており、オランダ戦で見せた鎌田のゲームメイクと両翼の推進力を生かした早い時間帯の先制が鍵となる。第2節は同日に「オランダ vs スウェーデン」も行われ、その結果次第で6月26日の「日本 vs スウェーデン」がグループ突破の行方を左右する一戦になる可能性もある。
まとめ ― 日本の「クラス」が一つ上がった試合
前半を無失点で耐えた日本は、後半2度のビハインドを跳ね返してオランダから勝点1をもぎ取った。注目すべきは、久保建英の負傷交代に合わせて堂安律も下げ、右CBに冨安健洋を投入しながら右サイドには伊東純也と菅原由勢を並べてクロス攻勢に出た森保監督の決断だ。相手はファン・ダイクを筆頭に世界屈指の空中戦を誇るオランダ。これまでの日本であれば慎重になっていたはずの選択を、そんな格上相手に貫けたのは、空中戦で戦える上田綺世と小川航基という2人のCFを併用できる選択肢が今の代表にあるからこそ。そして最後はコーナーキックで小川がファン・ダイクに競り勝ちヘディングシュートを放ち、それが鎌田にあたってゴールに吸い込まれるという、まさにドラマチックな結末でそれを証明した。スコアは引き分けだが、世界の強豪と真正面から殴り合い、最後まで諦めずに結果をもぎ取ったこの試合は、日本代表が確かに「もう一段上のクラス」へ進んだことを示す内容だった。
W杯2026
ワールドカップ2026
日本代表
オランダ
鎌田大地
中村敬斗

元サッカー部。日韓W杯2002年から全大会リアルタイム観戦、
観戦歴20年以上。国際公認スタッツ(API-Football)と
ブックメーカーオッズをもとにデータで語るW杯分析をお届けします。

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