【2026W杯】冨安健洋の現在は?アヤックスでの成績や怪我の状況・移籍の噂を徹底解説

選手・チーム解説

2026年北中米ワールドカップ。日本代表の最終ラインに、吉田麻也から背番号22を引き継いだ男がいる。右SB・左SB・CBのすべてを世界最高水準でこなす「守備のオールラウンダー」冨安健洋。アーセナルでの連続負傷、半年間の無所属、そして新天地アヤックスでの再起——苦難の4年間を越えてたどり着いたW杯の舞台で、「思い出作りに来ているわけではない」と言い切る27歳のすべてを解剖する。

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基本プロフィール

フルネーム冨安 健洋(Takehiro Tomiyasu)
生年月日1998年11月5日(27歳)
出身福岡県福岡市
身長187cm
利き足右足(両足遜色なく使用可能)
所属クラブアヤックス(オランダ/エールディビジ)
ポジションCB/右SB/左SB(最終ライン全ポジション対応)
代表背番号22(吉田麻也から継承)
代表通算成績43試合・1ゴール
経歴アビスパ福岡 → シント=トロイデン(ベルギー)→ ボローニャ(イタリア)→ アーセナル(イングランド)→ アヤックス(オランダ)

2025-26シーズン成績|アヤックスでの再起

2025年7月にアーセナルとの契約を双方合意で解除した冨安は、約半年間の無所属・リハビリ期間を経て、同年12月16日にオランダのアヤックスへフリー移籍で加入した。2026年2月のエクセルシオール戦で実戦復帰を果たし、シーズン終盤にかけて少しずつ出場時間を積み上げた。

9
リーグ出場試合
217
出場時間(分)
1
アシスト
4
クリーンシート

9試合中4試合(44%)を無失点で終えたことが示すように、短い出場時間でも守備の安定感は折り紙付きだ。パス成功率79%(138本中109本)という数字も、ビルドアップ面での貢献を裏付けている。3月のフェイエノールト戦でハムストリングを軽く痛めて代表活動を一時辞退したが、4月には無事に復帰。シーズン最終盤まで試合に絡み続けた。

アーセナルでの4年間と「わずか6分」の現実

冨安がアーセナルに加入した2021年、アルテタ監督は彼を「完璧に近いディフェンダー」「何でもできる」と絶賛した。右SBに入ってすぐにリーグ3連敗中だったチームの守備を立て直し、現地メディアからも「プレミア即戦力」の評価を得た。

しかし待ち受けていたのは、繰り返す負傷との消耗戦だった。腸腰筋、膝、ハムストリング——部位を変えながら離脱が続き、2024-25シーズンは開幕前の膝の負傷に続いて2025年2月に再手術。結果、同シーズンの公式戦出場はたったの1試合・6分間にとどまった。アーセナルとの4年間で積み上げた公式戦出場は58試合。「稼働さえしていれば世界最高峰の右SB」と言われながら、その可能性を存分に発揮できないまま2025年7月に契約を解除した。

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プレースタイル|「現代型万能DF」の3つの強み

① 最終ライン全ポジションをこなす汎用性

右SB・左SB・CBの3ポジションすべてを高水準でこなせるディフェンダーは、世界を見渡しても数えるほどしかいない。試合展開やチーム事情に合わせてポジションを変えながら守備強度を保てるため、現代のビッグクラブが求める「どこに置いても主力級」の条件をそのまま満たしている。

② 両足を使ったビルドアップ

利き足は右だが、両足を自然に使える技術が後方からの攻撃参加を支えている。相手のハイプレスを受けても、体の向きを変えずに逆足でパスを逃がせるため、GKからの組み立てでも詰まる場面が少ない。アヤックスでの約79%というパス成功率は、ディフェンダーとしては水準以上の数字だ。

③ 間合いと読みの「抑制型」1対1

冨安の守備は力任せに飛び込まない。相手との間合いを保ちながら、体の重心移動と目線で誘導し、タイミングを見計らってボールを刈り取る。プレミアリーグの超高速カウンターを受け続けたアーセナル時代に培われたこの「抑制型」の対人守備は、日本代表でも「個で止められる」貴重な武器になる。

背番号22の継承——吉田麻也との「なんやそれ」な電話

日本代表の背番号22といえば、長年にわたり最終ラインを統率した吉田麻也のナンバーだ。冨安はその番号を引き継ぐにあたり、吉田に直接電話で報告した。

「22番を引き継ぎます」という冨安の報告に、吉田は一言——「なんやそれ(笑)」と返した。冨安自身は「僕にとっても大ごとにしなくていい。背番号を変えたというだけですかね」と照れ隠しのように振り返る。しかし吉田は後日、「電話で『22番を着ける』って言ってくれて、それが一番嬉しかったこと」と明かしている。軽口のように見えて、日本代表の”継承”を象徴するやり取りだった。

W杯直前の状態|約2年ぶりのスタメン復帰

5月31日のアイスランド戦(1-0勝利)で、冨安は約2年ぶりとなる代表戦でのスタメン出場を果たした。83分までプレーし、試合後には「まだやれるっていう感覚で交代した」と語った。怪我の不安を完全に払拭し、体もメンタルも仕上がっていることを示す一言だった。

森保監督は冨安のコンディションが万全でない時期も含め、代表メンバー26名に一貫して選び続けた。その信頼に対して冨安は「こういう状況でも選んでもらったことに責任を感じている。ピッチでのパフォーマンスでその信頼に応えたい」と言い、6月14日のオランダ戦に向けて覚悟を口にした。

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「思い出作りに来ているわけではない」

前回のカタールW杯を振り返り、冨安は「少し自意識過剰になっていた部分があった」と語った。今回は「言うべきことがあれば言い、考えすぎずに大会に臨みたい」と、精神的な成熟も感じさせる。

そして背番号22を背負う覚悟をこう締めくくった。「思い出作りに来ているわけではない。ピッチに立てない選手がいる中で選んでもらっているので、自分のできる限りのパフォーマンスを出すということにフォーカスするべき」。

負傷、無所属、再起。4年間の回り道を経て、冨安健洋は2026年の夏、最も重要なステージに立つ。

W杯後の移籍先候補

アヤックスとの契約は2026年6月30日まで。フリーエージェントとなる冨安への関心は欧州各地から寄せられている。最も有力視されているのはACミランで、著名な移籍ジャーナリストも「ミランがモニタリング中」と報道。戦術的な守備を重視するセリエAの環境は、かつてボローニャで才能を開花させた冨安にとっても相性がいい。エバートン、ブライトン、レアル・ソシエダなど複数クラブの名前も挙がっており、W杯でのパフォーマンス次第では、間違いなく争奪戦になる。

もし怪我がなかったら——未来予想図

これほど「もしも」を考えさせる選手も珍しい。アルテタ監督が「継続性が出た瞬間、とてつもない武器になる」と言い切ったように、冨安の問題は能力ではなく稼働率だけだった。怪我がなければ何が変わっていたか——3つのシナリオで考える。

① アーセナルの絶対的レギュラーとしてタイトルを獲る

加入直後の2021年、右SBに入った冨安はリーグ3連敗中だったアーセナルの守備をたった数試合で立て直した。あのまま稼働し続けていれば、ベン・ホワイトにポジションを奪われることもなく、プレミアリーグ優勝争いとCLの主力として名前を残せていた。「フリーで退団」ではなく「欧州の頂点で戦った日本人DF」として記憶されていただろう。

② 移籍金2000万ユーロ超えで「メガクラブ争奪戦」の主役に

怪我による稼働率の低さが原因で、冨安の市場価値は本来の水準を大きく下回り続けた。健康であれば2000万〜2500万ユーロ(約30〜40億円)以上の価値を維持できたとされており、レアル・マドリード、マンチェスター・シティ、バイエルン・ミュンヘンといったクラブが高額の移籍金を積んで動く「世界的な争奪戦」の主役になっていた可能性は十分にある。

③ 日本代表の「個で止める」最終兵器として歴史を変える

日本代表が過去のW杯で苦しんできた最大の課題は「個の守備力」だ。冨安が常時フル稼働できていれば、「個で止められる世界基準のDF」として代表のベスト8という悲願を実現する最大の武器になれた。ベスト16の壁をこじ開けるために、これほどの適任者は日本にいない。

もっとも——冨安本人はそういう「if」を口にしない。「ここにいることを当たり前だと思わずにやっていきたい」。過去への後悔ではなく、今この舞台への集中が、彼を動かしている。

まとめ

アーセナルで「完璧に近いディフェンダー」と絶賛されながら、負傷で4年間を削られた。それでも森保監督は一度も見切らず、冨安自身も諦めずに再起した。アヤックスで9試合・4クリーンシートというデータが示すように、ピッチに立てさえすれば世界水準の守備を発揮できることは証明済みだ。

「思い出作りに来ているわけではない」——吉田麻也から受け継いだ背番号22を背負い、6月14日のオランダ戦から最終ラインの軸として日本を支える。怪我との戦いを越えた冨安健洋の本当の勝負は、今から始まる。

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